第375章 彼が彼女を探しに来た

「私、やっぱり気骨のある男性の方が好きだから。彼が離れたのは間違いじゃなかったし、ライジングテクノもすごく成功してる」

 天樹夢子の慰めに、夏目緑という大の男が、たちまち目を赤くした。

 天樹夢子を見上げる。彼にだって、天樹夢子が自分を、そしてボスを慰めようとしていることくらい、分からないはずがなかった。

 ただ、天樹夢子のその態度から、彼女の決意も見て取れた。

「若奥様……」

 夏目緑は、恨めしそうに天樹夢子を呼んだ。

 天樹夢子はゆったりと立ち上がると、ハンドバッグで夏目緑の肩を軽く叩き、呆れたように言った。

「いい大人が何やってるのよ。まさか泣くつもりじゃないでしょうね!...

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