第413章 陸川北斗の耳が赤くなった

以前、柏木明珠を怒らせるために、天樹夢子は人前で陸川北斗のことを二度ほど旦那様と呼んだことがあった。

プライベートでは、彼をそんな風に親密に呼んだことはなかった。先ほどもしばらく準備していたが、やはり口に出せない。恥ずかしすぎるのだ。

天樹夢子は普段、いい加減なように見えて、口先で人をあやすのは得意な方だ。

だが、時には照れることだってある。

一瞬、天樹夢子は泣きそうになった。「陸川北斗、私に何か恨みでもあるの?」

天樹夢子の少し不満げな眼差しを受け、陸川北斗は彼女を抱きしめながら、切迫した声で言った。「一度呼んでくれないか?」

天樹夢子は息を止めた。「呼ぶ、呼ぶから」

口では...

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