第483章 別れたら友達になれない?売り言葉を真に受けるな

ふと、胸の奥がざわつくのを感じた。

あの日、彼は確かに彼女の願いを聞き入れたはずだ。それなのに、なぜ今さら辞職などする?

春川柚香の退職届に目を通すなり、宮沢宣之はスマートフォンを手に取り、すぐさま彼女に発信した。

コール音が鳴り続けるだけで、電話の向こうの春川柚香は出ない。

二度目にかけた時には、すでに電源が切られていた。

宮沢宣之の表情がみるみる曇っていく。デスクの向かいに立つ杜崎秘書は、息をするのも憚られるほど縮み上がっていた。

宮沢宣之の電話を無視し、あまつさえ着信拒否や電源オフにする度胸がある人間など、この世界広しといえども春川柚香以外に存在しないだろう。

『おかけに...

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