第486章これほど人に感情を乱されたことはない

「杜崎秘書たちを毎日叱りつけていたら、怖がって俺のオフィスに入ってこなくなったんだ」

春川柚香の機嫌をとったあと、宮沢宣之はそう言って泣き言を並べ始めた。自分も情緒不安定で影響を受けているのだ、と。

春川柚香は黙って聞いていた。

実のところ、彼女は仕事のグループチャットで、ここ数日の宮沢宣之の機嫌が最悪で、誰が近寄っても怒鳴られるという噂を目にしていた。

今頃、社内は戦々恐々としているはずだ。

春川柚香が顔を背けて黙り込むと、宮沢宣之は彼女の頬にキスを落とした。

「春川柚香、俺の感情がここまで誰かに左右されたのは初めてだ」

その言葉に、嘘はなかった。

宮沢宣之の胸に背を預けな...

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