第518章 彼女に真実を告げる

宮沢鳴が椅子を引いてくれると、春川柚香はテーブルの前に腰を下ろした。

前回のように他人のような顔で「宮沢社長」と呼ばれなかったことに、鳴は内心ほっとした様子で、彼女の向かいに座る。

通されたのは小綺麗な個室だった。向かいに座る鳴を見て、柚香は言葉に詰まる。

あの時なぜ何も言わずに去ったのかと問い詰めることもできた。怒りをぶつけ、彼が消えた後の日々がいかに辛く、鬱になりかけたか訴えることもできたはずだ。

だが今となっては、それすら意味がないように思える。

宮沢鳴と出会い、恋人だった日々は、まるで前世の出来事のようだ。

それに今の彼女は、まともな恋愛とは言えないまでも、宮沢宣之と一緒...

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