第99章 彼を無視すると、逆にくっついてきた

陸川北斗に不意にそのことを訊かれ、天樹夢子はまず彼を一瞥し、それから笑って言った。

「私が騒ぎを起こすのを待ってるの? 誰かに頼んでネックレスを取り返してくるのを期待してるとか?」

陸川北斗が口を開く前に、天樹夢子は続けた。

「言わないでよ、わざと柊木嶋を使って私を煽ったんでしょ。もし好きなら……」

天樹夢子が言い終わらないうちに、陸川北斗は彼女をぐいと胸に引き寄せた。

「寝るぞ」

陸川北斗にそのまま腕の中に引き込まれ、天樹夢子はそれ以上何も言わなかった。彼の胸にしばらくもたれていたが、やがて顔を上げて彼を一瞥した。

「陸川北斗、あなた、私よりよっぽど考え事が多いわね」

そう...

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