第145章 証拠は握っている

「関根さん、私に何かご用でしょうか?」

関根承吾が連絡を入れると、あの店員は案の定、もう一度姿を現した。

桜井瑞希は脇で、まだ休んでいるふりをする。けれど実際は、スマホのカメラをそっと相手に向けていた。

「実はですね。この前の件、本当に助かりました。これはほんの気持ちです。受け取ってください」

関根承吾はそう言いながら、チップを取り出して店員に差し出した。

「関根さん、そんな……当然のことをしただけですから」

口では遠慮しているのに、視線のほうが正直だった。

関根承吾はその手に押し込む。

「いいから。これはあなたが受け取るべきものです」

結局、店員はチップを受け取り、嬉しそ...

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