第16章 父親はやはり息子に治めてもらうしかない

颯太がまた桜井瑞希に知恵を授けるように言った。

「ママ、大丈夫。僕にいい手があるから。パパにクビにされるなんて、絶対にさせない」

桜井瑞希は、颯太が黒崎恒一を「パパ」と呼ぶたびに、どうにもむず痒い違和感を覚える。あの男が水野優奈をかばい立てした姿を思い出すだけで、胸の奥から訳もなく怒りがせり上がってきた。

瑞希は腰を落とし、真剣な顔で颯太に言い聞かせる。

「……パパって呼ばないで。あの人は、そんなふうに呼ばれる資格ない」

颯太は頭をぽりぽり掻き、無邪気な目で瑞希を見上げた。

分からないことは、聞く。そんな顔。

「どうして? パパって呼ばないなら、なんて呼べばいいの?」

桜井瑞...

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