第177章 私たちは結婚することになった

数日も経たないうちに、水野優奈は退院した。黒崎恒一は壊れものでも扱うみたいに気を遣いながら、彼女を黒崎家へ連れ帰る。

けれど――黒崎幸枝は、優奈の顔を見た瞬間から露骨に表情を曇らせた。

「恒一……あの子はもう、あなたの婚約者じゃないでしょう。どうしてまた家に連れてきたの」

幸枝は声を落とし、恒一にだけ聞こえるよう囁く。

だが恒一は、わざわざ皆の前で言い切った。

「祖母さん。俺、優奈と結婚したい。近いうちに……先に婚姻届、出してくる」

水野優奈も一歩前に出て、深く頭を下げる。

「おばあさま。私、今までたくさん……嫌われることをしてきました。でも黒崎家に入ったら、全部直します。ちゃ...

ログインして続きを読む