第185章 特権

黒崎恒一はただ前へ進み、水野優奈の言葉に返事をしなかった。

昨夜は二日酔いになるほど飲んだというのに、気分は少しも晴れない。むしろ、いっそう沈んでいく。

酔いが抜けた頭は残酷だった。現実を変えられない無力感だけが、より鮮明に胸に刺さる。

「恒一、昨日はお酒ばっかりだったでしょ。今日はせっかくだし、ここの料理も食べてみない?」

水野優奈が弾んだ声で勧める。

「あなたの好みに合いそうな料理、何品か知ってるの」

「君が決めて」

黒崎恒一は淡々と答えた。

返事が返ってきただけで、水野優奈は少し肩の力が抜ける。

「黒崎社長、本日はお帰りになりますか。それともこちらで昼食を?」

責任...

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