第188章 一晩宿を借りる

「ママ、黒崎おじさん、帰しちゃだめだよ?」

由衣が桜井瑞希の裾をつかんで、ぶんぶん揺らした。

颯太も瑞希の手を握る。

「外、まだ雨やんでないよ。黒崎おじさん、今帰ったらまた濡れちゃう」

「また」という言葉に、瑞希は思わず黒崎恒一へ視線を向けた。彼は、さっきからずっと、びしょ濡れのままの服を着ている。

瑞希は息を吸い込む。正直、黒崎恒一とはこれ以上関わりたくない。けれど、この状態の彼を放っておくのも違う。

「……分かった。一晩だけ、泊まって」

その言葉を聞いた葉山静香が、やけに張り切った声を上げる。

「じゃあ私、先に客間片づけてくるね。みんなはゆっくり話してて」

瑞希は思わず...

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