第189章 狭き門で出くわす

葉山静香のわざとらしい采配で、黒崎恒一と子どもたちは、桜井瑞希の部屋の真隣に泊まることになった。

ベッドに横たわった瑞希は、壁を見つめているだけで、向こう側にいる男の気配を勝手に想像してしまう。

それがもう、腹立たしいほどに落ち着かない。おまけに――今日、暗がりで自分がやらかした間抜けな行動まで思い出してしまって。

「……ああっ!」

堪えきれず、瑞希は声を上げた。

このままじゃ、まともに眠れるはずがない。

仕方なく上体を起こし、温かい牛乳でも飲もうと部屋を出る。牛乳は眠りにいい、とよく言うし。

ところがリビングへ行くと、暗闇の中にもう一人、誰かがいた。

近づいて、瑞希は息をの...

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