第212章 無理やり言いがかりをつける

「役立たず!」 

水野優奈は怒りに任せ、手にしていたスマホを投げつけた。

本当は、ああいう連中を使えば桜井瑞希にきついお灸を据えられると思っていた。

それに、もし桜井瑞希があいつらに傷物にされでもしたら――黒崎恒一の見る目だって変わるはずだ、と。

けれど現実は違った。

黒崎恒一の態度は確かに変わった。だが、それは彼女の望む方向ではない。

「こんなはずじゃない! こんなはず、ないのに!」

水野優奈は叫び、鏡の中の自分を睨みつける。

どうして自分が桜井瑞希に劣るのか、どこが負けているのか、どうしても分からない。

――なぜ、ここまでしなければならなかったのか。

黒崎恒一が桜井瑞...

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