第218章 当事者

「黒崎社長、桜井さんが水野さんのご自宅のほうへ向かいました」

ボディガードからの第一報を受け取るなり、鈴木謙介は黒崎恒一にそう告げた。

「……優奈のところへ?」

黒崎恒一はわずかに目を見開き、すぐに察する。

桜井瑞希が真相を知ったうえで会いに行く相手が水野優奈だというなら――今回の件、水野優奈と無関係なはずがない。

桜井瑞希は水野優奈の家の前に立ち、胸の奥の荒れた息を整えた。扉を開けた瞬間、感情のままにぶつけてしまわないように。

インターホンを押し、ほどなくしてドアが開く。

現れた水野優奈は、そこに立つ瑞希を見て目を丸くした。

「珍しいわね。どうして急に、私のところに?」...

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