第220章 鍼灸

桜井瑞希がわざわざ水野優奈のほうから家に押しかけていくはずがない。だから彼女は、病院で待つことにした。濡れ手で粟を掴む、と言えば聞こえはいいが、今の瑞希にはそれがいちばん確実だった。

先日、看護師や医師と雑談する中で、瑞希は重要な手がかりを掴んでいる。

「最近、水野さん……病院に来る回数がやけに多いんですよ。前は月に一度で十分だったのに」

それを聞いても、瑞希は驚かなかった。

検査が目的なわけがない。黒崎恒一と一緒にいる口実――それだけだろう。

むしろ好都合だ。ひと月も待たずに済むのだから。

そして一週間後。

ついに瑞希の前に、水野優奈と黒崎恒一が姿を現した。

「……私の足を...

ログインして続きを読む