第238章 形勢が逆転する

「桜井社長。今回の会議で、この件はきっちり決着をつけさせていただきたい」

葛西秀樹の口調は刺々しい。だがその目には、面白がっている色が浮かんでいた。まるで――この騒ぎで桜井瑞希の名が一気に広まるのを、待ち望んでいるかのように。

もちろん、悪い意味で。

竹内良真は不安げに桜井瑞希へ視線を送り、ちらり、ちらりと時計を確認する。さらに、隣の空席にも落ち着かない目を向けていた。

「桜井社長。こちらも無理を言っているつもりはありません。ただ……もう待てない段階なんです」

葛西秀樹とは対照的に、藤原吉彦の声には申し訳なさが滲んでいた。できれば、ここまで追い詰めたくなかったのだろう。

桜井瑞希...

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