第24章 テレパシー

「ママの名前は……」

「颯太、由衣!」

葉山静香の声が飛び込み、由衣の言葉を途中で断ち切った。

静香は、由衣と颯太がいつまで経っても戻ってこないのを不審に思い、様子を見に行こうとしていた。だが近づく前に、黒崎恒一と水野優奈の姿が目に入る。背筋が凍り、次の瞬間には踵を返して全力で駆け出していた。由衣と颯太が二人に気づかれたら――面倒どころの騒ぎじゃない。

黒崎恒一も静香を見て、わずかに目を見開いた。前に、あの女と一緒にいた……。

二人の距離感からして、かなり親しいのだろう。

黒崎恒一は葉山静香という女を知らない。これまで会ったこともない。桜井瑞希と結婚して以降、静香は海外へ回され、...

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