第48章 パパを救うんだ

「調べてみたんだが、彼女はその分野の経験が豊富だ。もし治療を引き受けてくれるなら――君の脚は、きっと早く良くなる」

黒崎恒一は、桜井瑞希に関する資料の一部を彼女の前へ置き、まじめな顔でそう言った。

水野優奈は、その空気がたまらなく嫌だった。桜井瑞希の前で見せる黒崎恒一は、自分に向けるそれとはまるで違う。

はっきり感じる。黒崎恒一の優奈への感情は、恋よりも「責任」に寄っている。いつから距離ができたのか――自分でも分からない。ただ、ある日を境に、彼は急に丁寧になった。丁寧すぎるほどに。

水野優奈は困ったふりをしつつも、気遣い深い性格を崩さない。

「……やっぱり、いいよ。恒一。私の脚はこ...

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