第59章 お前の技術は子供にも及ばない

竹内良真も、さすがに困り顔だった。

「じゃあ、まずはその方法で試してみて。ダメならパスワード当てに切り替えろ。ただし急げ。向こう、監視カメラの復旧に入ってるし、社内システムに侵入者がいることも把握してる。俺も、そう長くは持たない」

桜井瑞希はすでに作業に入っていた。指先がキーボードを叩く速度は、残像が見えるほど――それでも表情は落ち着いたまま。焦りの色は一切ない。

ここで慌てたところで、状況が好転するわけじゃない。むしろ判断を鈍らせるだけだと、彼女は知っていた。

黒崎グループのシステムが侵入された。小さな騒ぎで済むはずがない。発覚と同時に技術側は総力で遮断にかかり、攻防は膠着。責任者...

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