第77章 家族が合体した

黒崎恒一は満足げにうなずいた。

「じゃあ、行こう」

撮影班のスタッフは、その言葉を聞いた瞬間、目を見開いた。

「黒崎社長……まさか、こちらと一緒にスタジオまで?」

黒崎恒一はすでに上着を手に取っていて、呼びかけにわずかに視線だけを流す。

「何か問題でも?」

「い、いえ! こちらへどうぞ」

――信じられない。

何年この会社にいても、黒崎恒一が自ら撮影現場に出てくるところなんて見たことがない。監修だの立ち会いだの、そういう類を一番嫌う人間のはずだ。

それが今回は、子ども二人のために、だと? 驚きにもほどがある。

桜井瑞希も本当は「社長は来なくて大丈夫です」と言いたかった。けれ...

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