第1章

北野紗良視点

無数のフラッシュが、まるで小さな太陽のように私の周りで炸裂した。けれど、そのどれ一つとして、私に向けられたものではなかった。

ここはニューヨーク・ファッションウィークの舞台裏 。私はその片隅に立ち、散らばった生地の切れ端を黙々と畳んでいた。ほんの数メートル先では、双子の姉がスポットライトを一身に浴びている。

瓜二つの顔。けれど、住む世界は全く違った。

「北野さん、この素晴らしい作品集のアイデアはどこから生まれたのですか?」レポーターの声には、ファッション界の名人にだけ向けられる、あの息を呑むような興奮がこもっていた。

北野彩香の笑い声が、高価なシャンパングラスのようにきらきらと響く。「これらのデザインは、私の芸術的な魂の奥深くから湧き出てきたものなんです。子供の頃から、自分はデザイナーになる運命だってわかっていましたから」

嘘つき!

その言葉が喉まで出かかったけれど、私はそれを飲み込んだ。この二十五年間、他の全ての真実を飲み込んできたように。

シルクの残布を集める手が震える――私が三日三晩、寝ずに完璧に仕上げた、あのシルクだ。

「『極光』ブランドは、私の描く女性のパワーを表現しています」北野彩香はカメラに向けて、蜜のように甘い声で続ける。「一つ一つの作品が、美しさの中にある強さの物語を語っているんです」

それは私の物語。私の強さ。私の眠れない夜。

十八歳の頃。実家の広いリビングに立ち、何週間もかけて作った人形用のドレスを握りしめていた。

「お母さん、見て、これ作ったの!」

しかし、北野彩香が練習を重ねた優雅さで部屋に舞い込んできた。「実はね、ママ。私が紗良にやり方を教えてあげたの。紗良は私が見せたものを真似しただけよ」

母の微笑みは、ためらうことなく私から、彼女の自慢の子供へと移った。「彩香、あなたは本当に天才ね!」

「お母さん、そんなんじゃ――」

「北野紗良、お姉ちゃんの才能に嫉妬するんじゃありません」

ドレスは私の指から滑り落ち、忘れ去られた。

その夜、私は秘密基地へと登った――布と糸の中に真実が息づく屋根裏部屋。ここには私の本当の作品が存在する。決して人前に出ることのない服のデザイン、決して私の名前が刻まれることのない設計図。

「いつか」私は影に囁いた。「世界は本当のデザイナーが誰なのかを知ることになる」

背後で床板が軋んだ。

「なんてことだ、紗良……これは、信じられない」

三浦友也が戸口に立っていた。彼の青い瞳は、純粋な畏敬の念で見開かれている。幼馴染の親友は、まるで聖堂に足を踏み入れるかのように、私の秘密の世界へと入ってきた。

「友也!どうして――」

「窓の掛け金、子供の頃から壊れたままだろ」彼の見慣れた笑顔に、胸が締め付けられる。「D市に戻る前に、君に会いたかったんだ」

彼はまるで自分の居場所であるかのように、私の仕事場を歩き回った。そして私の最新作にたどり着いた時、息を呑んだ。

「これは美術館級の作品だ、紗良。この家で朽ち果てていくべきじゃない」

「私は大丈夫――」

「ふざけるな」その言葉は鞭のように鋭かった。

「君はここで死にかけてる。ゆっくりと、静かに、でも確実に死んでいってるんだ」

視界が滲んだ。

泣くな。絶対に泣くんじゃない。

「俺と一緒に行こう。君自身のスタジオを、君自身のブランドを立ち上げる手伝いをさせてくれ。君は影に隠れているべき人間じゃない。その名前こそ、光の中で輝くべきなんだ」

希望は危険なものだった。あまりにも、痛すぎた。

彼は小さなベルベットの箱を取り出した。

「P市から持ってきたんだ」

昔作られたカルティエのネックレスは息をのむほど美しかった――月の光を捉え、まるで涙の粒を閉じ込めたかのように輝くダイヤモンド。

「これを君に」彼は私の後ろに回り、留め金をかけながら言った。「約束の印だ。俺が君の夢を守る、紗良」

ネックレスは、可能性への、この壁の向こうにある人生への、命綱のように感じられた。

「本当に……そう思ってくれてるの?」

「君にとって大切なものを守るためなら、俺は命だって使う。約束だ」

私が知らなかったのは、北野彩香が友也の後をつけて二階に来ていたこと。彼女は影から見ていたのだ。私の作品を褒め、私に逃亡を提案し、そして優しく私に触れるのを。

三時間後、私は作品集をまとめるために自分の部屋へとそっと向かった。友也が夜明けに迎えに来てくれる。夜になる頃には、私は自由になっているはずだった。

寝室のドアに近づいた時、それが聞こえた――私の血を凍りつかせるような、甘い呻き声と、途切れ途切れの喘ぎ。

音はくぐもっていたが、聞き間違えるはずもなかった。ドアノブにかかった私の手が震える。

ドアを押し開けると、世界が砕け散った。

友也の服が、捨てられた約束のように私の部屋の床に散らばっていた。北野彩香のドレス――私がデザインしたドレス――はベッドのそばで無残に丸められている。

そして、そこに、私のベッドの上に、双子の姉がいた。友也の動く体の下で背を反らせ、その白い肌が月光にぬらぬらと光り、彼の名前を喘ぐように呼んでいる。

彼女の脚が彼の腰に絡みつき、指が彼の背中を掻きむしる。彼が絶望的な激しさで彼女の中で動くたび、二人の、ぺたぺたと湿った音が規則的に私の部屋を満たしていく。

作品集が床に落ちた。それは、私の世界が終わる音だったかもしれない。

「友也……」その言葉は、壊れた響きで口から漏れた。

彼は突き上げる動きの途中で凍りつき、汗の光る胸のまま、勢いよくこちらを向いた。

パニックが彼の顔に広がり、彩香から慌てて身を離す。

「紗良、これは、説明できるんだ――」

「何を説明するって?」

北野彩香は裸の体を隠そうともせず、ゆっくりと、意図的に全てを見せつけるように身を起こした。彼女の声は絹と毒でできていた。その微笑みは、勝利に満ちた、残酷なものだった。

「最初からあなたのものになんてならないものもあるのよ、可愛い妹」

首にかかったカルティエのネックレスが、突然、首を絞める縄のように感じられた。

私は、走った。

階段を駆け下り、家を抜け、私の絶叫を飲み込む夜の中へ。ネックレスは一歩ごとに胸の上で跳ねた――美しい嘘、灰と化した約束のように。

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