第7章
彼らを見送り、家に戻ろうとしたその時、ふと階段の踊り場にスマートフォンが一つ落ちているのが目に入った。一瞬ためらったが、それを拾い上げ、中身を確認してみる。
スマートフォンの画面には、私たちの最初の小規模なグループチャットが表示されていた。画面に留まっていたのは、まさしく月城のメッセージだった。
『みんな心配しないで、こっちは何ともないから。みんなも早く休んで』
あの時、月城はすでに意識を失っていたはずだ。メッセージを送れるわけがない……。
私ははっとし、再び思考を巡らせた。犯人は行方不明になった月城を見つけられなかった。しかし、意識を失った月城は最終的に707号室の前に現れ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
縮小
拡大
