チャプター 163

フレデリックは暗がりの中に立っていた。その瞳は闇の中で不気味なほどに光を放っている。獲物に狙いを定めた狼のように彼女を見つめ、その顔に浮かぶ微かな表情の変化を一つ残らず観察していた。

ベアトリスはその視線に居心地の悪さを覚え、思わず目を逸らした。

「気になっているんだろう」唐突に彼が言った。それが問いかけなのか断定なのか、その口調からは判然としない。

彼は暗がりから一歩前へ出た。月光がその端正な輪郭をくっきりと浮かび上がらせる。冷たい夜気と混じり合った彼の存在感が、瞬時に彼女を包み込んだ。

「そんなことないわ」ベアトリスは即座に否定したが、その声に自信はなかった。

「いや、気にしてる...

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