第176章

深酒をした翌朝特有の、あのズキズキとした頭痛がベアトリスを目覚めさせたわけではなかった。彼女を起こしたのは、ひどい喉の渇きだ。

重い瞼をどうにか押し上げると、ぼやけていた視界がゆっくりと焦点を結んでいった。

見知らぬ天井がそこにあった。直線的で無機質な、装飾の欠片もないデザイン。

空気からは、清々しい木の香りが漂ってくる。

彼女は勢いよく上体を起こした。

掛け布団が滑り落ち、清潔なバスローブに包まれた身体があらわになる。ローブの帯はきちんと結ばれており、身体の感覚も……普通だ。どこかが妙に痛むようなこともない。

昨夜の記憶が、断片的な欠片となって脳裏をよぎる。ルーカスがお酒を持ち出...

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