第180章

ひんやりとした感触にベアトリスは身震いし、つい先ほどまで心を覆っていたぼんやりとした感情から一気に引き戻された。

傷の手当てに集中するフレデリックを、彼女はじっと見つめた。胸の奥で、相反する感情が複雑に絡み合ってうずく。

「自分でできるわ」そう言って、彼女は足を引っ込めようとした。

フレデリックは無言のままちらりと顔を上げたが、彼女の足首を掴む手は力強く、決して離そうとはしなかった。

帰り道、フレデリックはまずベアトリスを伴って戻った。

別荘に到着すると、かかりつけの医師がすでに待機していた。念入りな診察の結果、診断は靭帯の損傷――それほど深刻ではないものの、絶対安静が必要とのことだ...

ログインして続きを読む