チャプター 19

ベアトリスはふいに顔を上げると、フレデリックが反応するよりも早く目を閉じ、勇気を振り絞って、彼の冷たく薄い唇に素早く口づけをした。

トンボが水面を掠めるような、ほんの一瞬の触れ合いだった。

フレデリックは完全に虚を突かれた。唇に伝わる柔らかく温かな感触――それは、先ほど彼が罰を与えたときの、血の味が混じるような抵抗とはまったく違っていた。今回は、彼女の方から求めてきたのだ。

常に距離を置き、警戒心に満ちていたその双眸は今、固く閉じられ、長い睫毛が小刻みに震えている。

フレデリックの張り詰めていた自制心は、もろくも崩れ去った。

彼は彼女の後頭部を大きな手で包み込み、受動から能動へと転じ...

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