第二十三章

フレデリックは何も見ていないかのようにそこに立ち尽くし、体を微かに震わせていた。

あの一発の殴打で、彼の体からすべての力が抜け落ちてしまったかのようだった。

彼は自分の手を見つめ、それからゆっくりと顔を上げると、虚ろな視線を遠くの一点へとさまよわせた。

彼女は死んでいなかった。

ベアトリスは生きていたのだ。

次に彼を襲ったのは、狂喜ではなく、天を衝くような激怒だった。

デニスに対する怒り、そして何よりも、自分自身に対する怒り。

これまでずっと、自分は道化のように踊らされていたのだ。

彼女の『死』に心を殺され、生ける屍と成り果てていたというのに。当の彼女はどこか別の場所で、彼の手...

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