チャプター 31

その瞬間、時間が引き延ばされ、凍りついたかのように感じられた。

微かなアルコールの匂いが高価な香水と混ざり合い、重苦しく空気に漂っている。鼻腔を突く甘く金属的なその匂いに、ベアトリスは胃がひっくり返るような不快感を覚えた。

ルシウスが立ち上がり、彼女の方へと歩み寄ってくる。仕立ての良いシャツが包み込むその体格は、彼女の記憶にある大学時代よりもずっと広く、威圧感を増していた。

かつてよく知っていた、あの強烈な執着と献身に満ちた瞳に射すくめられる。彼は彼女の姿を見ても少しも驚く様子を見せず、まるで最初から来ることを予期していたかのようだった。

ベアトリスの思考は混沌と渦巻いていた。その場に...

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