チャプター 38

車内の空気は凍りつき、互いの鼓動だけがやけに鮮明に響いていた。

密室に投げかけられた二つの同じ問いは、どちらも答えを得られぬまま宙を漂っていた。

ベアトリスは唇を引き結び、その長い睫毛を微かに震わせた。混乱を隠すように顔を背けると、涙の痕が残る横顔はすでにいつもの冷静さを取り戻していた。

自分はなんて愚かなのだろう。答えなど、とうの昔に分かりきっていたはずなのに――どうしてわざわざ問い質して、自ら惨めな思いなどしたのだろうか。

フレデリックは険しい表情で口元を強張らせた。ベアトリスが頑なにはぐらかすのを見た彼は、苛立たしげにアクセルを踏み込む。黒のベントレーは、夜の街を切り裂くように疾...

ログインして続きを読む