チャプター 43

ベアトリスはゆっくりと顔を上げた。ふだんは優しげなアーモンド形の瞳が、今は氷のように冷たく、それでいて燃えるような強さを宿している。彼女は目の前の貴婦人を見据え、唇の端に嘲るような笑みを浮かべた。

「無駄ですよ、スチュアート夫人」ベアトリスは静かに言った。その声は、偽りの平穏をすっぱりと切り裂いた。

「五年が終わったら、私は一日たりとも居座りません。スチュアート家から、できるだけ早く、きれいさっぱり消えてみせます」

その言葉が唇からこぼれ落ちた瞬間、廊下の突き当たりのエレベーターの扉が開き、背の高い影が姿を現した。

フレデリックだった。

彼の手には、上品な保温容器が提げられている。デ...

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