第五十四章

「離婚」という言葉が、車内に死んだような沈黙を落とした。

結婚してからというもの、ベアトリスはずっと穏やかで、物分かりがよかった。余計なことは聞かないし、自分に関係のないことに首を突っ込むこともしない。フレデリックと口論になったことも一度もない。

だが、この結婚は終わらせなければならない!

「フレデリック、結婚契約が切れたら、私が何をして、誰に会おうと、あなたには関係ないわ」ベアトリスは怒りに震える声で言った。

ルシウスとの関係は、何度説明したことか。フレデリックは、わざと彼女に恥をかかせようとしているのが見え見えだった。

フレデリックは顎を固くし、ハンドルを握る手に力を込めた。

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