チャプター 59

年老いた露店商はぎょっとしたあと、たちまち顔をしかめた。「おい、坊や。見たところ身なりは悪くないのに、十ドルも出せねえのか?それでカードだと?このへんでカードが使える店がどこにあるってんだ」

そう言うなり、露店商は怒鳴りながら二人を追い払った。「金がねえなら、そう言え!俺はケチじゃねえ、頼まれりゃタダで一つくれてやったさ。だが俺をだまそうなんて思うなよ!」

フレデリックの顔が、嵐雲のように陰った。息が詰まるほどの圧がにじみ出る。彼は高い地位にある男で、こんな侮辱を受けたことなど一度もなかった。

しかも、こんな人通りの多い通りで。

やがて周囲の人々が足を止め、こちらを見物しはじめた……。...

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