チャプター 60

フレデリックはふと足を止め、ばつが悪そうに耳の先を赤らめた。

二人の部屋に戻ると、そこはエリザが言っていた通りの空間だった――ほのかに甘い香りが漂い、照明は温かみのある琥珀色に落とされている。

フレデリックは上着を脱いで無造作にソファへ放り投げ、上質な白いシャツ姿になった。そのまま窓辺へと歩み寄り、煙草に火をつける。立ち上る紫煙越しでは、彼の表情を窺い知ることはできなかった。

ベアトリスは居心地が悪そうにソファに腰を下ろした。先ほどのエリザの口ぶりからして、どうやら彼女は二人に少しの間、この部屋で過ごしてもらいたいようだった。

お祖母様と一緒に過ごしたい気持ちはあるものの、スチュアート...

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