チャプター 66

病院の廊下は消毒薬の臭いが鼻を突き、あまりの強さに息が詰まりそうだった。

フレデリックは救急処置室へと運び込まれ、扉の上で赤いランプが灯って、まるで二つの世界を隔てる結界のように見えた。

知らせはすぐにスチュアート邸へ届き、アリシアは取り巻きを連れて駆けつけた。

彼女の目に入ったのは、茫然自失のベアトリスだった。手入れの行き届いた顔は、いまや怒りと嫌悪で歪んでいる。

「あなたさえいなければ、フレッドが命がけで戦うことなんてなかった!」アリシアは前へ躍り出て手を振り上げたが、間一髪でリアムが駆けつけ、制した。

「アリシア・スチュアート夫人、どうかお落ち着きを」

「落ち着けですって? ...

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