第六十八章

ベアトリスは猫を腕に抱いたまま、黙り込んでいた。

理解できなかった。

フレデリックは外ではデイジーといちゃつき、甘い顔を見せているくせに、ベアトリスの生活の隅々まで支配している。

こんなふうに愛情を二つに割られるほうが、露骨な無関心よりよほど息苦しかった。

一週間後、フレデリックは退院して自宅で療養すると言い張った。

アリシアはひどく心配し、気が進まなかったが、息子の頑固さには勝てなかった。

リアムが退院手続きを忙しく進めるなか、アリシアは長いあいだ堪えていたものを、ついに口にした。

「フレッド……まさか、本気でベアトリスに惚れたわけじゃないでしょうね?」

スチュアート家には、...

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