第100章

実のところ、J国の人間なら誰しも胸の奥に「軍人になりたい」という夢を一つは抱えている。田村洋平みたいな荒くれ者だって、例外じゃない。

彼が最終的にこの道へ足を踏み入れたのは、ただ情勢に押し流されたからだ。

だが、田村には田村なりの筋があった。

彼が売りさばくのは、J国にとって脅威になり得ない品だけ。しかも武器を流す相手は、徹底して弱小国に限る。

領土を奪わせるためじゃない。国を、家を、守らせるため――。

「お前……」

軍人なのか?

喉まで出かけた言葉を、田村は飲み込んだ。

もし相手が本当に軍の人間なら、こんなグレーな流通を放置するはずがない。

あるいは、あの小娘も自分と同じ...

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