第101章

「ここは士官学校だ。これだけ厳粛な場所なんだから、ふざけた真似は許さない」

 ひととおり案内が終わり、桐生椿は――これでようやく解放される、そう思っていた。

 ところが次の瞬間、訓練場一帯に緊急避難のサイレンがけたたましく鳴り響いた。

 どこかで事故が起きた合図だ。

 椿は反射的に駆け出した。だが、彼女より速い影がある。九条蓮だ。迷いなく椿を追い抜き、事故現場へ一直線に突っ込んでいく。

 設備の一部が故障し、巨大な鉄塊が高所から落下しようとしていた。

 その真下には、訓練用のフライトシミュレーター。しかもコックピット内には、まだ訓練中の人間がいる。

 今から避難させても間に合わ...

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