第11章

冷やかし混じりの笑い声が飛び交い、藤崎弥生は思春期の熱にあてられたみたいに、照れくさそうに頭をかいた。

桐生椿はというと、あっけらかんと肩をすくめるだけ。

周囲のからかいなど、まるで気にしていない。

気まずさを避けたかったのか、それともさっきの椿の言葉が胸に刺さったのか。弥生は少し考え込んでから、ふいに椿へ手を差し出した。

「その……実はさ。俺たちのレーシングチーム、まだ一人足りなくて。もし椿がレースに興味あるなら、入らない?」

言い終えた瞬間、弥生自身がいちばん驚いていた。

――俺、なんで今、こんな無茶な誘い方した?

けれど口に出した以上、引っ込められない。

なぜなら椿は、...

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