第121章

桐生椿は逃げ場を完全に塞ぐ包囲網の指示を出し終えると、すぐさま自分の救出任務に意識を切り替えた。

モニターを確認すると、六階建ての商業ビルのうち、監視カメラが潰されているのは三階だけ。

――つまり、犯人は三階にいる。

椿はイヤーマイクに指を添え、短く指示を飛ばす。

「友梨、翼。三階へ。潜める場所を探して、いつでも挟撃できるように待機」

続けて監視室の北川智史にも告げた。

「北川、全フロアの映像を絶対に切らすな。連中が移動したら見失う」

必要な手配は終わった。あとは――自分が動く番だ。

椿は商場のアパレル区画へ紛れ込み、数分後、別人のような姿で出てくる。

どこにでもいる、普通...

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