第144章

見張りの男も、そう考えたのだろう。まともな人間が、道具もなしに壁を自在に登れるはずがない。――最近の寝不足で目が霞んだに違いない、と。

「行くぞ。巡回を続ける」

桐生椿はまたしても発見を免れ、屋根裏の小窓からするりと邸内へ滑り込んだ。

人探しは骨が折れる。それでも椿は、別荘の中で「人を閉じ込められる場所」を片っ端から当たった。

彼女はクラゲの隊長だ。幼い頃から一緒に育ってきた。クラゲの腕前を、椿ほど知っている人間はいない。

クラゲが組織を裏切るはずがない。まして自由の身で、外部と連絡が取れないなんてあり得ない。

つまり――監禁されているか、あるいはもう……。

手がかりを追う最中...

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