第148章

桐生椿は確信していた。いまクラゲの身体から漂っている匂いは、あのとき自分が部屋に残した“手がかりの香り”そのものだ。

つまり――匂いを残した直後に、彼女は捕まった。

そして、連中はその香りが何を意味するのか、きっと理解していない。

だからこそ、香りが残っていても疑いもしなかったのだろう。

桐生椿はポケットから、5mlほどの小さな香水を取り出すと、ためらいなくシュッとひと吹きした。

瞬間、空気が変わる。

鼻腔に絡みつく、独特の調香。

――あの女が、本当にクラゲなのか。

確かめる必要があった。

クラゲ専用に調整された香りなら、必ず反応が出る。

案の定。

女は香りを嗅いだ途端...

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