第149章

「あなた、誰? あの子の知り合い? まさか……あの子の男の一人ってわけ?」

 藤崎萌香は一瞬きょとんとしたが、すぐに息子の腕を引っ張って言い募った。

「見たでしょ。あの子、裏じゃ本当にだらしないのよ。何人の男と関係持ってるかもわからないわ」

「きっと変な病気だって持ってる。近寄らないほうがいいわよ」

「まったく、桐生家のご夫婦も呑気ねえ。実の子でも、ほいほい家に連れ帰るなんて」

「そうそう。もし病気でもうつされたら……洒落にならないわ」

「みんな離れましょ。うつされたらたまらないもの」

 野次馬たちは、桐生椿を汚物でも見るみたいな目で、さっと距離を取った。

 椿の耳にも、露骨...

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