第152章

桐生椿は、反射的に警戒心を尖らせた。

相手もこちらの視線に気づいたのか、ふいに振り返って椿を見る。

その瞬間――椿は、九条蓮と同質の圧を、相手の目の奥に感じ取った。

直感は外さない。

(……まさか、あの男が九条蓮?)

だとしたら、なぜここにいる。来ているなら、なぜ私に会いに来ない。わざわざ影から覗くような真似――どう考えても、善意の動きじゃない。

今回の共同任務は、このオークション絡みなのか。

(ダメ。下手に動いて九条蓮に目をつけられたら、001の身分を説明できない。そうなれば、フォックスの正体まで露見する)

どちらもJ国の利害と安全保障に直結する。絶対に漏らせない。

……...

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