第153章

「違う。海は広すぎる。守るべき命も、もっと多い。たった一つの命のために、海ぜんぶの命を捨てるなんて――割に合わない!」

クラゲは、自分の置かれた状況が最悪だと理解していた。だからこそ桐生椿に、彼女ひとりのために使命を忘れるなと、遠回しに釘を刺したのだ。

001が守ってきたのは、彼女たち一個小隊ではない。J国の民そのものだ。

国を守れないで、どうして個人を守れる?

クラゲは、チームに加わったその日から、己の役目を理解していた。

この数年、仲間が次々と散っていくのを見てきた。心のどこかで、いつ自分がそうなってもいいように覚悟はできている。

彼女だけじゃない。ほかの全員も同じだ。

た...

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