第156章

桐生椿は確かに、田村洋平に海外案件の窓口を任せていた。となれば、あいつの武器商売も、もう外にまで手を伸ばしているはずだ。

だが――まさか自分の居場所まで把握しているとは。知っているとすれば、彼がちょうど現場にいる場合くらいしか考えられない。

桐生椿は素早く会場の招待客を見回した。けれど、田村洋平の姿はない。

「そうそう、田村洋平。向こうで今、取引先と交渉中なんだってさ。それでお前が男を追いかけてフランク荘まで来たって話を耳にして、『マジか? 紅蓮会、男主人が増えるのか?』って聞いてきた」

桐生椿は即座に言い返した。

「デマを信じて広めるの、いい加減にしな。次やったら紅蓮会から叩き出...

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