第158章

以前、桐生椿は海外の裏社会で名を馳せた「メデューサ」として、悪い男どもを何人も虜にしてきた。

けれど彼女は、ずっと素性を明かさなかった。

あの一度だけ――ブルーが抗争に巻き込まれて命の危険に晒されたとき、助けられたうえに、その場で手下を引き連れて桐生椿のもとへ頭を下げた。あれがなければ、彼はきっと死ぬまで知らなかっただろう。自分を救った相手が、長年憧れていたメデューサだったなんて。

……しかも今は、その「彼」が彼女の手下だ。

これが世に出たら、ブルーは一生自慢できる。間違いなく。

「メデューサとしての身元を伏せたままなら、写真なんて広まりようがないわ」

せいぜい「ブルーの愛人」だ...

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