第16章

そう言い終えるや、会場はたちまち熱い拍手に包まれた。

桐生武治は、胸を震わせるような眼差しで桐生椿を見つめる。

「椿……これからは、お前が桐生家の椿様だ。父さんと母さんの――大事な大事な宝物だ。もう二度と、誰にもつらい思いはさせない」

「これからは苦労なんてさせないわ。うちのお姫さまには、いちばんいいものを全部あげたいの」

空気に押されるように、桐生雪菜は椿を抱きしめ、そのまま涙をこぼした。

まさか両親が、ここまで感情を露わにするとは。

椿の胸にも、確かに温かいものは灯った。……けれど、泣けなかった。

幼いころから「殺す」ための技を叩き込まれた子どもは、どこかで感情の一部を置き...

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