第163章

「――じゃあ、お前は死なないってわけ?」

桐生椿は、茶色い髪の男を見据えた。どこかで見た顔だ。

任務の現場だったか、それとも――。

「フン! 俺が死ぬ? そんなのどうでもいい。お前ら全員、死ねばいいんだよ!」

最後に笑うためなら、自分が生きて出ることなど最初から考えていない。

その目は、狂気の熱で濁っていた。

「001。お前は俺を覚えてないかもしれないが、俺は忘れない。卑怯な手で親父の企業帝国を潰したのはお前だ。俺は誓った。この一生で、必ずお前を殺す」

男の傍らにいた部下が、低く促す。

「お連れします。ここは間もなく爆発します」

「お前らはここで死んでろ。俺は帰る」

幾重...

ログインして続きを読む