第180章

藤崎弥生って、本当に朱に交われば赤くなるってやつだ。こんな短時間で桐生椿に染められて、親の金をむしり取って自分の欲を満たそうだなんて。

……とはいえ、弥生がここまでコソコソできるのも、椿が後ろ盾になっているからだ。そうじゃなきゃ、あいつにそんな度胸はない。

弥生が電話をしている間に、桐生椿のもとには九条蓮から連絡が入っていた。部屋はもう取ってある、あとは椿が来るだけ――そんな内容だ。

桐生椿は部屋番号を頼りに個室を見つけ、扉を押し開けた。

中では男が、開け放たれた窓の前に立っていた。夜景を眺めている。

ここみたいな“空中楼閣”の利点は、高い場所から帝都を丸ごと見下ろせるところだろう...

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