第183章

九条蓮は無言で足を上げ、近くにいた一人の脛へ容赦なく蹴りを入れた。

「暇か、お前ら。『大嫂』だの何だの言ってる余裕があるなら、あとで500斤背負って50キロのクロカン走らせるぞ」

「えぇ……」

数人がそろって肩を落とし、情けないため息を漏らす。

桐生椿は九条蓮をちらりと見たが、挨拶すらしないまま、別方向へすたすた歩き去った。

その背中を見送った瞬間、九条蓮の表情がさらに険しくなる。

――だが、彼から声をかけることもない。隊員たちを連れて、そのまま立ち去った。

桐生椿は振り返り、頭も下げずに行ってしまった男を見て、思わず小さく毒づく。

「一生、私のところに来なければいい」

自...

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